2019-01-01から1年間の記事一覧

実験と計算

1. 経験的命題:文法的命題 の関係にパラレルな関係が、実験と計算(あるいは証明)の間に成り立つ。 「私がこれを再度おこなったとせよ」-ここで「これ」は、この結果を含意しない。さもなければ、それは実験ではなく、計算である。-内的関係が存在するこ…

操作と結果

1. 先の問いかけを確認した上で、経験的命題と文法的命題の使用の違いという問題に戻る。例えば『数学の基礎講義』のある個所では次のように述べられている。 同じ外見をした経験的命題と数学的命題の差異について、私がもし誰かに大雑把なヒントを与えると…

規則の表現

1. 経験的命題と文法的命題を分けるものが「使用」(「扱い」)であるなら、「ある命題を文法として扱うとはいかなることか」、「何がそのような扱いの特徴か」が問題となる。 これまでの議論は、一つの要点を持っていた:すなわち、全く同様の外見を持つ数…

文法的命題、経験的命題

『探究Ⅱ』xiの冒頭(PFF111)で取り上げられる「2つの使用」について、 テクスト間を類比によって辿ることで、「アスペクト知覚論」と「数学の基礎」論に共通した根が存在することを確認しておいた。(「2つの使用」)すなわち、その「2つの使用」の区別の問題…

表出のディレンマ おまけ

「信ずる」「願う」「欲する」といった動詞が、「切る」「噛む」「走る」といった動詞もまたとるような文法的形態をすべて示すことを、自明のこととは見なさず、何かきわめて奇妙なことと見なせ。(PPF93 藤本隆志訳) もちろん、ウィトゲンシュタインは、「…