2020-10-01から1ヶ月間の記事一覧

説明の周辺(12):「表情」というインターフェイス

1. 鑑賞者によって同じ作品に対する評価が異なることは、芸術にはつきものである。 例えば、ピカソのキュビスム時代のある油彩画をみて、A氏は「美しい」と言い、B氏は、「どこが美しいのか、さっぱりわからない」と言う。 また、ある演奏家の弾くヴァイオリ…

「説明」の周辺(11):美学的対象と美学的反応

1. ウィトゲンシュタインの「美学に関する講義」の内容を、 ①美学的対象 ②美学的反応 ③美学的説明 の3つの側面からみてゆく。 ※よく知られるように、「美学」と訳される"aesthetics",”Ästhetik"は、語源的には古典ギリシャ語の「感覚」を意味する語「アイス…