2019-09-01から1ヶ月間の記事一覧

「状態」というモデル

1. 前回の補足から。 『茶色本』で、「できる」が用いられる様々な言語ゲームを記述・考察した後、ウィトゲンシュタインは 次のようにまとめている。 「できるcan」「する能力があるto be able to」といった可能性の表現が用いられている個々のケースが、家…

「できる」という状態

1. ウィトゲンシュタインは、『探究Ⅰ』150で、「知る」「できる」「理解する」といった語の文法の類似性に注意を促している。 「知っているwissen」という語の文法は、明らかに「できるkönnen」「能力があるimstande sein」といった語の文法に非常に類似して…

状態をめぐって

1. 前回、「誰それが・・・している」という、行為の進行(progressive)相での表現は、状態の記述に似たように扱われる、と書いた。 「状態性」とimperfective aspectとの関連は、よく指摘されてきた。 ただし、それだけでなく、「状態」という概念は、行為を…