2020-01-01から1ヶ月間の記事一覧

叙想的テンス、叙想的アスペクト(2)

1. 前回触れた日本語の「た」の用法に関連して、「ムードの‘タ’」「叙想的テンス」という概念を提示したのは、寺村秀夫である。 日本語を勉強している外国人の学生の多くがふしぎに思う過去形の使いかたに、次のようなものがある。 たとえばある学生が奨学金…

叙想的テンス、叙想的アスペクト(1)

1. 必要あって、進行相の特徴づけという問題に足を突っ込んでいる。(英語、フランス語、日本語の進行相を、学問的手続き抜きに(あるいは不用意に)比較しているが、筆者個人の内での思考(=試行)に向けたメモなので、当面それでかまわない。) ここまで…

行為と状態(7):inside viewという比喩

1. 進行相 progressive aspect による表現と「事象を観察しているかのように表現する」という特徴との関係 が現在のテーマである。 前回、フランス語学では、半過去の本質を考察するに当たって、「観察しているかのように表現する」という特徴(あるいはそれ…