2024-02-01から1ヶ月間の記事一覧

動態動詞ル形の用法について(8)

1. 続いて、 Ⅵ 知覚・思考・内的状態の表出 に移る。 Ⅴに属する、態度表明のル形については、前回見た。ここではまず、ⅤとⅥを連続的に捉える。つまり、態度表明のル形とⅥの中間例を見ることにより、Ⅵ全体に向けた導入とする。 鈴木重幸は、(前回取り上げた…

動態動詞ル形の用法について(7)

1. ここまで、鈴木重幸の謂う「非アクチュアルな現在」を表現するル形について見てきた(cf. 2023-11-27)。続いて、「アクチュアルな現在」の事象を表すル形の用法に入る。 高橋太郎によれば、現代日本語動詞の完成相非過去形(すなわちル形)は、次のような…

動態動詞ル形の用法について(6)

1. 続いて、 ⑥履歴属性叙述のル形文 益岡隆志は、属性叙述の一種として、「履歴属性」というカテゴリーを立てた。それは事象から派生する属性の一つ、「本来的に事象を表す動詞文(動詞述語文)が属性を派生する(含意する)」場合の一種である。 もう一つの…

動態動詞ル形の用法について(5)

1. 続いて、 ③「虚構移動文」(cf. 三原健一、『日本語構文大全Ⅰ』p255~) この構文は、道路、山地等を主語にとる。 中国自動車道は、吹田を起点に、しばらく市街地を走る。 金剛山地は大阪府と奈良県の境を南北に走る。 「虚構移動」と呼ばれるのは、道や…