2020-03-01から1ヶ月間の記事一覧

前景と背景

1. ヴァインリヒは『時制論』で、テクスト言語学の立場から、時制形式の機能を解明しようとした。 すなわち、言語的コミュニケーションの現場で、時制形式が与える情報(彼の言う「信号価 Signalwert」)を、3つの側面に区別して分析しようとする。それが「…

説明と imperfective aspect

1. 前々回、「説明の半過去 imparfait d'explication」という概念を紹介した。 その「説明」とはそもそも何か?という問いを通して、「関連づけ」という概念に注目した。 さらに、前回、「関連づけ」と半過去の使用とに本質的つながりを認めようとする説を紹…

「関連づけ」と半過去

1. 前回、叙想的アスペクトの一例として、フランス語における「説明の半過去」を取り上げた。 さらに、日本語「のだ」の用法の定義を参照して、「説明する」と「関連づける」の意味上の類似に注意した。 通常、半過去の本質は、その「imperfectiveというアス…