2018-09-01から1ヶ月間の記事一覧

表出のディレンマ(2)

1. 前回、「信じる」「痛みを感じる」の全体的意味をどのようにとらえるのか、と言う問題が残された。 ウィトゲンシュタインは、前回引用したRPPⅠ479やLWⅠ899において、「痛みを感じる」の使用の変化について語っている。注意すべきことに、それは「痛み」と…

表出のディレンマ(1)

1. 「現象」と「指し手」 - 迷光録 の続き。「表出」という概念を持ち出すことに対する、別の有名な異議について。 「かりに私が痛みを感じるとしたら・・・」-これは痛みの表現Schmerzäußerungではなく、したがって痛みを表す振舞いでもない。「痛み」とい…