2019-11-01から1ヶ月間の記事一覧

行為と状態(4):進行相と基準時

1. 前回後半のまとめから入る。 状態の記述と、行為の進行相での記述との差異。 限定された期間を表す副詞句(たとえば 'for two hours' のような)との共起可能性について。英語の場合、状態の記述については、He was out of work at the time.He was out of …

行為と状態(3):進行相と傾性、期間の表現

(前回から続く) B.状態の記述との相違を示す事実 ①一般に状態の記述は一様homogeneousな様態が持続ずることを表すが、動詞の進行相は必ずしも一様な様態の持続を表さない。 次の例を考えてみる。 「彼は一人でログハウスを建てている。」 あるときは、丸…

行為と状態(2):行為と時点、有界性と非有界性

1. ここまで、 ウィトゲンシュタインの数学論、規則遵守論から、 動詞をimperfective aspectで使用することに絡む問題(imperfective paradox等)に目を移し、 さらにimperfective aspectとのつながりで、 「状態」、「持続」という概念 の問題へと展開してき…